本。完全統制社会っていうか何というか


1984年』("Nineteen Eighty-Four", 1949年)は、イギリスの作家ジョージ・オーウェルの小説。トマス・モア『ユートピア』、スウィフト『ガリヴァー旅行記』、ハックスレー『すばらしい新世界』などの反ユートピア小説の系譜を引く作品で、スターリン時代のソ連を連想させる全体主義国家によって分割統治された近未来世界の恐怖を描いている。出版当初から、冷戦下の英米で爆発的に売れ、同じ著者の『動物農場』やケストラーの『真昼の闇黒』などとともに反共思想のバイブルと見なされていた時期もあった。しかし、あらゆる形態の管理社会を痛烈に批判した本作のアクチュアリティは、コンピューターによる個人情報の管理システムが整備されつつある現代においても全くその輝きを失ってはいない。